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多くの人は生きていく中で挫折を経験していると思う。「もう立ち直れない・・・」「自分はだめだ・・・」と感じる時がある。私の人生も60年あまり、挫折だらけだった。
最初の大きな挫折は、大学病院の混合病棟に入職した時かと思う。学生時代実習に入った病棟で、苦手な看護師がいた。2歳年上のその看護師が指導者の時は、朝から気分が落ちた。あろうことかその病棟へ配属されたのである。
入職して間もないある日のこと「私はあなたが嫌いだから、これからいじめるから」と言われたことがあった。一瞬何を言われているのか理解できず、言葉も出なかった。何が理由もわからず、頭の中が真っ白になった。
言葉の通りその看護師が指導の時は、事実無根のことで私の失敗にされ、上司に注意を受けることも多かった。不器用な上に言い訳が嫌いな私はうまく反論できず、深く落ち込み傷ついた。病棟に行くのがつらくなった。今でこそ「パワハラ」や「いじめ」などは大きく取りざたされているが、当時はそんな言葉を新人が口にしたら、他のスタッフからは総スカンだったと思う。
誰にも何も言えなかった・・・。本当につらい毎日だった。
何か自分に落ち度があったのか・・・自分は他の新人と比べて劣っているのか・・・。いろいろと悩み苦しんだ。
その後退職するまで、ずっと陰湿ないじめや嫌がらせは続いた。もちろん退職の理由はそれだけではなかったが、一時は看護師という仕事をやめようと思ったこともあった。
しかし今こうして医療現場に戻り、看護部長までやっている。それができたのは、私にセカンドチャンスがあるということを教えてくれた人たちとの出会いがあったからだ。
人が自分自身を見失うのはもちろん本人の弱さや未熟さもあるだろう・・・。しかし周囲の環境が人をだめにしてしまっていることも多くあるように思う。
病棟師長時代、他の病棟で仕事ができないと評判の看護師はよく私の病棟に送り込まれてきた。しかしどの看護師も噂で聞くほどダメな看護師ではなかったと記憶している。一度レッテルを貼られた人を見ると、大半の人は「きっとダメな人なんだろう」と思ってしまう。それはやめようと心掛けた。時間はかかったが、多くの看護師は自分自身を取り戻し、居場所を見つけていった。周囲も彼女たちを認めるようになっていった。
私に嫌がらせを続けた看護師のことを思い出す時、今だに嫌悪感はあるものの、複雑な感謝の念もある。私に反面教師としての姿を見せてくれたからだ。当人を目の前にして「あなたのことが嫌いです」などと口が裂けても言うまいと、心に決めてこれまで生きてこられたのは、紛れもなくその看護師のお蔭だろう。
誰にでもセカンドチャンスはある。いや、何度でもチャンスはある。自分が心を定め、良い環境にさえ恵まれれば、それぞれの才能は花開くと信じている。
我が東京天使病院もそんな場所であってほしい。他の職場で挫折したり自信を失った看護職が、また自分を取り戻し、希望を持てる病院であってほしいのだ。それでこそ天使病院と言える。
管理者の役割は大きい。誰もが自分の良さを見つけて、のびのびといい仕事ができる環境を作り出すのは間違いなく現場のトップなのだから・・・。
東京天使病院の名に恥じない看護部長だろうか・・・セカンドチャンスがある看護部を構築できているだろうか・・・今日も自分に問いかけている。
看護部長 本間久美子
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