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2024.05.20
第17回 ことばのちから
ブランクが半端なく長い私が、もう一度看護に携わりたいと願ったのは、言葉が通じない辛さを痛感したからだった。それまでは、看護師への復職は怖すぎて、私の中にその選択肢はなかった。
夫の転勤で香港で数年過ごした。日本語以外話せない私は、外出と自宅の電話が鳴ることが何より怖かった。
（副主任になった時、初めて持ったピッチが鳴る時の恐怖と同じ…）
そんな生活の中で、日本で外国籍の方を看護師として養成するというニュースを見て、「日本語は微妙なニュアンスや、言い回しがあって難しいけど大丈夫なのかな・・・？」と感じた。
「当たり前だが、私の場合日本語はわかるのだから、施設の高齢者の方々の気持ちは汲み取れるかもしれない・・・」と思い、帰国後すぐに看護協会の復職支援に数か月お世話になった。
そして現在に至っている。
今思うと、もともと単純な思考回路がこの時ばかりは役にたったと・・・。
外来にはたくさんの患者さまが受診される。大勢の方と接する機会がある。
高齢者の方はもちろん、いろいろな方がいらっしゃる。
何を伝えようとしているのか、相手の方の気持ちを汲み取れるくらい丁寧に向き合っていきたいと改めて感じている今日この頃・・・。
看護師を目指した２度目の初心を大切にしたいと思う。
外来
主任 国分朋子