問診
まず眠気の程度や交通事故やニアミスの回数、合併症、現在服用しているお薬などについてお聞きします。可能であれば、就寝時の様子を知るため、初診時のみで結構ですからベットパートナーの方などの同席が望まれます。
睡眠時無呼吸症候群(SAS) は睡眠中に何らかの原因で、呼吸が数秒から数分間停止する無呼吸と低呼吸を伴った病気です。 全人口の2~4%といわれており、日本では200~400万人の方が罹っていると推測されています。 東京天使病院では、睡眠時無呼吸症候群を含めたさまざまな睡眠障害が診断できるポリソムノグラフィー検査を行うことができます。 睡眠にまつわる悩みをお持ちの方は是非とも当院へご相談下さい。特に睡眠時無呼吸症候群は日常生活を脅かす病気ですが、発見しやすく効果的な治療法がある病気でもあります。自覚症状のある方は当院で検診を受けてみてください。
睡眠時無呼吸症候群の検査方法には、ポリソムノグラフィー検査を行います。検査は睡眠中の脳波、筋電図、呼吸、心電図、血液の酸 素飽和度等を一晩にわたりモニターして睡眠障害や呼吸障害の有無と程度を診断する方法です。検査には当院に1泊入院をしていただく必要が有ります。検査結果に基づき、最も適した治療方針を決定いたします。
※睡眠時無呼吸症候群の診断や治療は保険適応です
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、大きく分けると次の3タイプに分かれます。
閉塞型
喉の奥が閉じて無呼吸を起こす症例です。
中枢型
頭の中にある呼吸を命令しているところが、一時的に異常を起こし無呼吸となる症例です。
混合型
閉塞型と中枢型が混ざった症例です
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、主にこの3種類の症例に分けられますが、90%以上は大きなイビキを特徴とする閉塞型と言われています。
睡眠時無呼吸症候群には、いくつか特徴的な症状があります
睡眠時無呼吸症候群には、
いくつかの原因が考えられます
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因は、生まれつき気道の幅が小さい人や、肥満によって気道が狭くなっている人、眠ると筋肉の力が落ち気道が狭くなる人などが考えられます。 その他にも肺・心臓・腎臓・甲状腺などのさまざまな病気によって引き起こされることも少なくありません。
放っておくと、生活習慣病の悪化や動脈硬化による心疾患や脳血管障害の合併の危険性が高まることなど、実は非常に恐い病気です。 したがって睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、早期診断・早期治療が必要不可欠なのです。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を放っておくと、動脈硬化が悪化するとともに、心疾患や脳血管障害になる危険性があり、死亡の確率が上昇する可能性があります。一例を挙げると、無治療だと約10年後には35%が狭心症や心筋梗塞になるうえ、そのうちの約半数は不幸にして亡くなることが報告されています。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者様は、重症な場合1時間の睡眠で100回以上、一晩では800回以上もの覚醒反応が起こります。
眠気は重症になるほど強くなるため、交通事故を起こす確率が健康な人に比べ 2~7倍にも増加しています。
このように睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、交通事故や労働災害を引き起こす確立が高くなります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)には、高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満といった生活習慣病を引き起こす確率が高くなることが知られています。また高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満などの生活習慣病がある患者様は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を伴いやすいことも明らかになっています。
具体的には睡眠時無呼吸症候群(SAS)の50~80%に高血圧を伴うこと、また高血圧の30~50%に睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状が認められます。
したがって適切に治療すれば、血圧を下げることができるため、高血圧の改善も望めるのです。
高脂血症は睡眠時無呼吸症候群(SAS)の30~50%に見られますが、治療を行うと悪玉コレステロールが下がり動脈硬化の予防も可能となります。また適切な治療は、糖尿病や肥満などの改善にもつながります。
重症睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者様が治療せずに放置すると、生活習慣病などを合併して、約10年後には100人中15人が死亡するとの客観的なデータも報告されています。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を治療することは、生活習慣病の改善にもつながりますので適切な治療を行うようにしましょう。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査・治療については、専門の検査機器が導入されている医療機関でしっかり診療してもらいしょう。
基本的には以下のような流れで検査・治療が行われます。
問診
まず眠気の程度や交通事故やニアミスの回数、合併症、現在服用しているお薬などについてお聞きします。可能であれば、就寝時の様子を知るため、初診時のみで結構ですからベットパートナーの方などの同席が望まれます。
検査
問診後、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがある場合は検査に進みます。睡眠時無呼吸症候群(SAS)は夜寝ている間の疾患のため、基本的には一泊の入院検査をしていただきます。ポリソムノグラフィー(PSG)という睡眠状態と呼吸状態を同時に見る検査機器を用い専属の技師が行います。多くのセンサーをつけて眠りの邪魔に感じるかもしれませんが、一晩中眠れない患者様はおられませんし、痛い検査ではありませんのでリラックスして検査をお受けください。
診断
一晩のポリソムノグラフィー(PSG)のデータをもとに、習熟した医師が睡眠時無呼吸症候群(SAS)かどうか、どの程度の重症度かなど詳細を判断します。
治療
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療方法は、大きく3種類分けられます。
シーパップ(CPAP)と呼ばれる治療器を使い、圧力を空気の通り道に加えることで喉が閉じるのを防ぐ方法
下顎(したあご)を前に出すマウスピース(歯型)を作って、喉を広くする方法狭くなった喉を手術で広くする方法
狭くなった喉を手術で広くする方法
(ただし有効性がいまだ不明のため、あまりおすすめいたしません。)
多くの方は、シーパップ(CPAP)と呼ばれる機器を使っての治療を行っています。
これが最もポピュラーな睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療法です。(やわらかい鼻マスクから加圧された空気を気道に送り込み、気道が潰れるのを防ぐ治療です。
この治療法は夜寝ている間のみ使用しますので、日中は普段の生活を送ることが出来ます。)
シーパップ(CPAP)治療を行うと、以下のような効果が期待できます。
無呼吸が激減します。
正常な睡眠状態になるため昼間の眠気が激減します。
様々な負荷がとれ合併症も改善されます。
合併症や事故による死亡率も低下します。
中等症以上の睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者様は、シーパップ(CPAP)の使用が健康保険が適応になります。
医療機関の受付で3割負担の患者様の場合、1ヶ月あたり約5000円程度の負担になります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を治療すると、日中の眠気が改善する上、生活習慣病を示すさまざまな検査値(血圧、空腹時血糖、ヘモグロビンA1C、中性脂肪、コレステロールなど)を改善します。そして、交通事故や労働災害の遭遇率を減らすとともに、心疾患や脳血管障害の合併を減らし、生存率を改善させることができます。
また今までは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の眠気によって運動する意欲もなかった方が、眠気の改善により意欲的に減量に取り組めるような場合もあります。
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