東京天使病院看護部 天使のつぶやき
2024.10.07
第37回 こころを看る看護

私は注射がうまいです。患者さんからも『いつ刺したのかわからないくらい痛くなかった』とおっしゃっていただける時もあり、それが私の強みのひとつでもあります。

 

つい先日、左足のアキレス腱断の手術を受けました。まだ足をついての歩行はできませんが、オペ後の経過は順調です。

オペ日程を決めるつもりで受診したのに、診察室で『日帰りオペで、外来の後行います』と聞き、痛いのがとても・・・いや、かなり苦手な私は(本当は保存的治療がいい、なんで怪我したのだろう)と不安と後悔でいっぱいでした。

20時過ぎにオペ室へ入室した時の血圧は180台!小心者が数値に出ている最中に手術は始まりました。

案の定、麻酔痛い・・・。止血痛い・・・。腱を引っ張られて常に鈍痛・・・。とにかく痛みに耐える。うつぶせでモニターしか見えない状態なのに、物音でやっている事の想像がついてしまい、痛み倍増。

 

孤独と後悔で暗い感情ばかり。

 

そんな時、看護師さんから『音、嫌ですよね。音楽かけますね、好きなアーティストはいますか?』と声がかかりました。その後も何気ない会話を交わしていたら、暗い気持ちだったのがいつの間にか心が晴れていました。

しばらくして、(まだ終わらないのかなあ)と思いながら、「今何時ですか?」と聞くと、「21時何分です。後は切開部を縫うだけなので、もう終わりますよ」と、心を見透かされた返答。

 

感銘を受けました。

1時間半ほどの手術終了後、「とても心強かったです。ついていただき、ありがとうございました」という言葉が自然に口をついて出ていました。

忙しく大変な日々の中、看護師にとって注射などの手技はもちろん大切なスキルです。でも、手技的なことは学び練習すれば誰でも身につけることはできます。それ以上に、患者さんと共有する時間もとても大切で、その時に患者さんの小さなことに気付いて、安心につなげるのが看護師の大きな役割のひとつであると思います。

訴えの裏の声にならない訴え、言葉の真意を読み解いて咀嚼し、言葉や行動を返す。患者さんの‘‘こころまで看る‘‘看護を提供できるよう、心掛けていきたいと思います。

 

地域包括ケア病棟

主任 黒羽啓資

 

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