東京天使病院看護部 天使のつぶやき
2024.09.24
第35回 臨床への復帰で学んだこと

私が東京天使病院に入職して、2年半が経とうとしている。

当院に来るまでは、13年ほど看護教員として、基礎看護教育に携わってきた。

私が教育現場で仕事をしようと決めたのは、正直なところ、教育が好きだからでない。自分に向いていると思ったことなど全くないなかで、当時のライフワークバランスを考えての決断であった。

私には3人の息子がいる。

教員を辞め、職場復帰を決めたのは、3男の中学卒業がきっかけである。元々教員になる時から、「息子たちが義務教育終了したら、臨床に戻る」と決めていた。息子たちから「母さんのやりたいことをやったらいいよ」と背中を押され、臨床へ戻ろうと決心した。

私の経験は、臨床では小児病棟・PICU、教育では小児看護学の担当がほとんどであった。実習や演習を通して、基礎看護学や成人・老年・精神看護学を経験したくらいで、「こんな私が臨床で何ができるのか?もう若くもないし、頑張るだけの体力、知力は限りがあるからなぁ・・・」と不安になった。決断したものの息子たちに弱音を吐きたくない。私の無駄なプライドがジレンマとなり、入職当初は緊張の連続であった。

そんな私だが、今も当院で働いている・・・。

教員を辞めてもなお、関わりのあった卒業生から「先生、もう辞めたい!『なんでそんなこともできないの?学校で何を教わってきたの!』と言われて辛くなった」と言った相談を受けることがある。学校は、看護師になる学生を育成している。教育カリキュラムは、日々変化する患者のニーズや医療の高度化などにより、改正されてきているため、学習項目や内容が多様化・複雑化している。そのためか、臨床のニーズには到達しているとは言い難い。しかし、学生が看護師になりたいと思う希望を持ち、看護師になる自分を想像し、頑張っている姿を支えてきた私にとって辛い相談である。

私も臨床のブランクがありながら、ここまでやって来られた。それは私の頑張りを引き出してくれた今の病棟スタッフみんなの愛ある対応と環境に相違ない。技量も経験もままならない私と卒業生との違いは、そこにあったのではないかと考えている。

スタッフそれぞれの技量、経験、個性が多様だからこそ、より良い看護を考えていける。これが今の私が働いている病棟の環境である。

今は、当院の看護部で臨床教育を担当することになった。臨床教育の経験がないなかで、絶賛猛勉強中である。

 

そんななかで、ひとつだけ大切にしたいことがある。

教育とは、できる看護師を育成するだけではなく、「この病院で働けて良かった」と思える環境づくりが何より大事・・・。現場復帰の中で学んだことだ。

 

地域包括ケア病棟

 副主任 飯田純子

 

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