東京天使病院看護部 天使のつぶやき
2024.09.02
第32回 看護の原動力

元気に産まれたと思っていた息子は、生後3週間ほどで体調が悪くなり緊急入院。先天性心疾患との診断・・・。手術担当の外科医には「手術をするが、成功するかどうかわからない。交通事故にでもあったと思ってあきらめていて。」と言われた。

そんな言葉をなげかけられて頭は真っ白、一生分泣いた。思い出すと今でも涙が出てくる。悔しいし悲しいし、考えると眠れない。一時期はご飯も食べられなくなり激やせした。

そんな私に担当医と看護師はいつも寄り添ってくれた。我が子を病気で産んでしまったと泣いていた時、「お母さんのせいじゃないですよ」そう何度も言ってくれた。私の体調を気遣って声をかけてくれた。黙って傍にいてくれる時もあった。少しでも抱っこが出来るように、一緒にいる時間がとれるようにと配慮もしてくれた。

先天性心疾患の中でも重症だったので、この子は1歳になれるかどうかわからないと言われていた。1歳になったら2歳になれるかどうかわからないと・・・。

しかし、彼は3度の手術を乗り越えた。彼の生命力と周りの応援のお蔭で、今20歳になっている。

 

2歳を迎える頃には、急な入院も少なくなったので、保育園に入れたいと考えた。このまま人生が終わったとしても、自宅と病院でしか過ごせないのはあまりにかわいそうだ。少しでもいろいろな経験をさせてあげたいと思ったのだ。

保育園探しも大変だった。入園したいと希望しても「大きな病気のお子さんは自宅でみてあげて下さい」と言われるのだ。そんな中、「いいですよ、一緒に育てていきましょう!」と二つ返事で言ってくれる保育園と出会うことができた。その言葉に涙が止まらなかったことをよく覚えている。卒園するまで入院もしたし、休む事も多かったが、4年間本当にお世話になった。あの時入園を拒否せず受け入れてくれた園長先生には今でも本当に感謝している。

 

息子の病気を宣告された時は、もう看護師としては働けないと思った。しかし、息子や私を助けてくれた方たちへの思いを、どんな形でも誰かに返したいと考えるようになった。私を励まし応援してくれた担当医や看護師の様に、誰かの力になりたいと強く思った。

患者の家族という立場に立ったからこそ、それまで以上に寄り添った看護ができるのではないかと・・・。

職場でもたくさん迷惑をかけた。急な休みや長期の休みも多かったが、スタッフたちの理解と協力のお蔭で今がある。

 

嫌な思いもしたが、たくさんの人に支えられた20年、これからもまだまだ支えられて生きていく・・・。

 

 

訪問看護ステーション

責任者 矢内美津子

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