東京天使病院看護部 天使のつぶやき
2024.08.27
第31回 接遇に思う

「接遇」・・・どんな職場でもこの言葉を聞かなかったことはない。

「接遇」に対しての研修や勉強会はどこでも繰り返されている。なのに「接遇」に対してのクレームは減らない。なぜだろうか・・・?

 

「接遇」と一口に言うが、「接遇」とは本当のところ、何なのだろう・・・?

 

ネットで検索すると・・・

「接遇の『接』は接する。『遇』はもてなすという意味。 『接遇』とは、お客さまに対しておもてなしの気持ちをもって、適切な態度や言葉遣い、マナーで接すること」とある。

適切な態度・・・適切な言葉遣い・・・。

「適切」とはずいぶん抽象的だ。

 

「接遇」の研修や勉強会は、いつでもどこでも、概念的な内容が多い。

私自身も多くの「接遇」研修で、概念的なことを話してきた。しかし実をいうと私の「接遇」に対する考え方は概念的なものとは少し違う。なぜかというと、一般の顧客に対する「接遇」と、医療現場での「接遇」は少し違うと思うからだ。

 

病院での「接遇」は、もう少し個別的で具体的なものでなくてはならないのではないかと思う。

 

我が国の現状を鑑みれば、病院で出会う顧客のほとんどは、ご病気の高齢者とそのご家族だ。そのような方たちが、病院スタッフがどんなお辞儀をしているか・・・どんな敬語を使っているか・・・ことさらそれを重要視しているとは少し考えにくい・・・。

 

病院を訪れる高齢者の方たちは、多かれ少なかれ体調が悪い上に、不安や緊張感を抱えていると思う。(病院に来るのが楽しみで仕方がないといった方も、少しはいらっしゃるだろうが・・・。)

そのような方たちにとって大切なことは、目の前にいるスタッフに対して「この人なら信頼できる、安心できる、話を聞いてくれる。ここにきて良かった。」と感じることができるかどうかのような気がする。

 

確かに初対面でのあいさつや言葉遣い、そして身だしなみは、こちらの印象を大きく決めてしまう。決して忘れてはならない基本中の基本だ。

だが、患者様さまやご家族には、難聴の方もいらっしゃる。目の見えない方もいらっしゃるだろう。歩くことがおぼつかない方や、車椅子の方もいらっしゃる。あいさつと同時に、相手の状況や特徴を把握し、その方に合わせたもう一歩踏み込んだ対応・・・それができてこそ真の「接遇」につながるのではないかと思う。

 

「接遇」を語る際に、患者さまやご家族が「安心して喜んで下さること」。それが大前提だということを忘れてはいけない。決して自己満足な「接遇」であってはならないのだ。

 

どんなに丁寧なお辞儀をし、美しい敬語を使いこなしても、相手の方が満足していなければ意味がない。私が望む「接遇」は、患者さまやご家族が、「また東京天使病院のスタッフの○○さんに会いたい」と思って下さることだ。

 

「接遇」・・・私はそれを、患者さまやご家族の笑顔につながる架け橋だと思っている。

 

 

看護部長 本間久美子

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